世の中には流行があります。それに対して個人、我があります。このバランスは非常に難しいものかと思います。今回はその点にクローズアップしていきたいと思います。
この問題の着想を得たのはカフカの「断食芸人」です。本のあらすじを簡単に説明しますと、断食を見せ物としてやっていた断食芸人がおり、一時期は盛り上がりを見せたのですが、サーカスなどの余興の台頭により人々の興味は逸れていき誰にも注目されなくなります。無用の産物となった彼の余興は周りから辞めるように勧められるのですが、彼は断食芸人としてのプライドを保ち続けるために断食芸を続けたのでした。
ここからの話題、自分を貫き通すことが良いのか、周りの意見を聞き流行に乗ることが良いのか問われます。どちらが人間としてあるべきなのでしょうか。どちらが幸せなのでしょうか。前者の観点から見ると、流行に乗ることが最適だと思われます。マジョリティの中に溶け込み、そこで人々に楽しんでもらえる利益を生み出すことができるからです。つまり社会全体的に見れば流行に乗る方が有益なのです。ただ、我を通すというよりは道を極めるという方が近いのですが、職人となれば社会的にも還元されます。反対に幸せについて考えると我を貫き通した方が幸せなのではないかと感じています。これは単純にやりたくないこと、やる気のないことをやらされるより、自分のやりたいことをやった方が幸せに思えるからです。ただ、流行に乗れば承認欲求などは満たされるかもしれないので一概にはいえないかもしれません。
社会への利益、個人の自由や幸せの探究。その天秤の話かと思います。
これは僕個人の意見なのですが、どちらかというと「流行」に力を置くべきなのではないかと思っています。それが円滑なコミュニケーションにもつながりますし、社会とはお互いの還元の協力で成り立っていると考えているからです。
皆さんはどう感じますか?